海に思いを馳せて

自分のテーマ/モットーを模索中 from Southampton

今学期の授業

 

satomioya.hatenablog.com

 

前にもちょっと書いたけど...

これはどちらかというと選択科目の話なので、今回は必修と選択の両方の中身についてしっかりと書こうと思う。

 

SOCI 1001 Understanding of Everyday Life

社会学・犯罪学・文化人類学専攻の必修科目。扱うテーマは家族・セクシュアリティジェンダー・階級 (class)・若者(Youth)など、日常に注目したもの。社会学文化人類学の視点の授業が多く、基本的にテーマの導入ですごく深くつっこんで議論とかはしない。そんなにディープではないけど、それでも日本ではあまり考えないセクシュアリティやcross-culturalな視点で家族やセクシュアリティについて勉強できたのは、とてもよかった。

今は家族・セクシュアリティジェンダーの授業が終わったところで、ほかのトピックについてはまだ言及できないけれど...

今までで、一番面白いと思ったのは、same sex sexualityについて。日本でもLGBTというタームが浸透されつつあり、homosexual, gayやlesbianという用語も昔よりかは少し普及してきたと思う。でも、それはあくまで、いわゆる西洋の文化において、人々をセクシュアリティによって定義する言葉であり、ほかの文化圏ではそのまま使えないことがある。当たり前のようだけど、意外と気づいていなかった。

日本も例外ではなくて、McLelland (2000) と Pinkerton and Abramson (1997) によると、西洋で区別されているgayとtransgenderがごっちゃにされている傾向があるらしい。10年以上も前の文献なので、今は変わっているかもしれないが、個人的にはまだ西洋の分け方が主流になっているとは思っていないので紹介した。ほかにもいろいろ面白いことは見つけたけど、さきほど二つの文献を見てもらったら、それが今の日本(そもそも当時の日本)にぴったり当てはまるかはさておき、普段気づかない側面を発見できるかと思うので割愛。(さきほどから、西洋とひとくくりにしているけれど、北米・西ヨーロッパ、特にイギリス・フランス・ドイツあたりだと仮定してもらえればいいと思う。厳密にはヨーロッパ圏内でも捉え方の違いが存在すると仮定している。)

 今やっている階級(class)も面白い。イギリスの階級制度をまだよくわかっていないけど、ワーキングクラスとミドルクラスを比べた時にワーキングクラスに対するミドルクラスの認識とその逆って違うらしい。そういう認識もまたジェンダーによって変わってくる。Skeggs (1997)のリサーチでは、女性のワーキングクラスがどうミドルクラスの女性を認識しているのかが書かれており、体格・ファッション・家の中(家具など)がワーキングクラスにとってのミドルクラスのシンボルだと考えられていると結論づけている。日本だと階級ってあんまり考えないし、階級って収入や職業に結びつけられているイメージがある。ちなみに私はマナーや振る舞い方も判断に影響するのではと個人的に思っている。そうやって疑問に思うこともどんどん増えていくので楽しい。

ちなみに、課題は1500語のエッセイが一つあり、"How have different cultures treated same sex sexualities?"というお題で書いた。これも楽しかったけど、今学期初のエッセイなのでドキドキ。

 

SOCI1003 Social problems and social policy

社会政策を専攻にしている人は必修。最初はなぜ社会問題が社会問題と認識されるのか、ほかの問題 (personal or private problems)とは何が違うのか—というところから始まる。トピックは、貧困 (poverty)・若者の失業 (youth unemployment)・移民 (migration)・環境正義 (environmental justice)で、今は移民が終わったところ。

この科目はなかなか難しい。基本的に近年のイギリスの政治の変遷が頭に入っていて、昔の政策をなんとなくでも知っていないとつらい。サッチャー・ブレアはよく出てくるし、ブレア政権の政策はよく議論されてるので頻出。去年はイギリスの政治について勉強したけど、つい最近のConcervativeとLiberal Democratの連立政権だけしか勉強しなかったので、ほんとに少しだけ。。。でも、本や論文を読んでるとこういう方向性の政治だったんだなーというのがちょっとずつわかってくるような気がする。政治の解釈はほんとにさまざまなのでググってウィキペディアとかで確認するわけにはいかないため、公の文書やアカデミックな解釈などを見て主張を理解するしかない。

それにしてもこの授業をとってから、いわゆる"社会問題"を考える時の姿勢が少し変わった。なんで問題なのかってことからまず考え始めて、誰が言い出したのか、どんな言葉で描写されているか、などなど、今まで考えなかった底の部分から考えるようになった。当たり前だけど、イギリスで社会問題として扱われていることは日本では社会問題ではないかもしれないし、その逆もある。たとえば、イギリスの移民のことだったり、日本のマタニティハラスメントのことだったり。

学問的なフォーカス(悪く言えば偏り)を見ていても面白い。たとえば、移民問題だともっぱらムスリムの話が出てくる。9/11や先日のパリでのテロのことを考えれば、そうなるのも無理はないけど、ほかのエスニックマイノリティやEU圏の移民はどうなのだろう?と思う。ムスリムだけが、いわゆるBritish cultureを壊すように見えているのだろうか?ほかの民族の文化はイスラム文化に比べると影響力が劣っているように見えるのだろうか?とか、考えてる。

それから、どうでもいいことで個人的にびっくりしたのは、移民政策のレクチャーの先生がとにかく今までの政策をディスりまくってたこと。「おお、そんな言葉使うか」というぐらい。ついでに言えば、その先生のジョークやスラング(たぶん、スラング...)がいつもわからないし、発音もほかのブリティッシュと違ってまだ慣れない。

リーディング、エッセイ、レクチャー、セミナー、全てが難しすぎてつらいけど、でも楽しい。異国の社会・政治を見るのは面白いな〜と日々感じる。

エッセイは、SOCI1001と同様に1500 wordsで、"Does a poverty exist in the UK?"というお題で書いた。Povertyの定義やmeasurementがいろいろなので、とても難しかった...でも、政策に触れなくてよかったのが救いです。(政策となると、この国の社会保障制度を理解していないと書けない)

 

以下は選択科目。

どちらも人口学(demography)です。

 

DEMO1001 Introduction to demograhic method

基本的に人口や出生率・死亡率などの計算を学ぶ授業。単に事実を計算するだけでなく、この伸び率・この伸び方で仮定したら人口は5年後このくらいってのを予想できる。正直、理論とかを聞いてる時は眠たいと思うこともあるけど、実際計算してみると楽しい。この授業のおかげで、英語で数学が少しできるようになった。課題としては、2週に1回クイズが、冬休み前にグループのプレゼンがある。グループのプレゼンでは、一つ国を選んでそこの人口についてまとめるというもの。なぜかJapanになってしまった...

 

DEMO1003 Population and society

人口の変遷について、社会や経済などの視点から考える授業。始まる前からけっこう楽しみにしてた授業て、こないだはいつもの講師じゃなくて学科のトップの教授がAgeing populationの話をしてくれて面白かった。といっても導入にしかすぎないので、来年以降どこかでもっとつっこんだ話を聞くことができれば...と思う。

前回は、移民と人口の関係に関する話が始まったので、わくわく。日本だと見られない現象だし、移民は出生率が高いので高齢化を遅らせられるかも、とか、労働人口を増やすことができて社会の負担軽減につながるかも、とかいろんな意見があるので、そのへんの話を聞くのが楽しみ。

どうでもいいことを言うと、講師の先生がイタリア出身で、たまにイタリア語かなっていう英語が聞こえてくることもある...笑

課題は2000 wordsのエッセイで、これがなかなか大変だった。同じようなことやっている文献がすでにたくさんあって、真似しているつもりは全くないけど、気づけば同じようなことをやってしまっていたので、けっこう悩みながら書いた。今度はもっと自分らしくアプローチして書けるように頑張りたい...!

 

文献

MacLelland, M. J. (2000) 'Male homosexuality in modern Japan: cultural myths and social realities'. Richmond: Curzone

Pinkerton,S. and Abramson, P. (1997) 'Japan' in Donald, W. and Green, R. (ed.) (1997) ‘Sociolegal Control of Homosexuality.’ New York: Plenum Press

Skeggs,B. (1997) “(Dis)identifications of class: on not being working class”,  in Skeggs, B. (1997) 'Formations of class and gender'. London: Sage pp.74-97.