4年間の大学生活が終わってしまった

お久しぶりです。

前回の投稿からしばらく経ちました。

5月22日に最後のプレゼンテーションを終えました。

ほんとにもうすぐですが、29日朝にパリ経由で実家の大阪まで帰ります!

本当はリサーチアシスタントの仕事が残っているのですが、引越しでドタバタなので日本に帰ってからサクッと終わらせたいと思います。

 

小学校・中学校・高校があっという間だったように、大学学部もあっという間でした。

ほんとにいろんなことがありすぎて整理しきれないんですが、お友達とのお別れの挨拶をするたび気づくのですが、大学生活で得たものの中で一番の財産はここで出会った人たちだなと。

もちろん、英語は上達したし、物事の見方も変わったというか、いろんな見方ができるようになりました。昔より、柔らかくなった気がします。ストレスコントロールも少しづつ上達してきたし、いろんな成長がありました。

でも、そういった成長って、ここで出会ういろんな人たちのおかげだなと思ってます。

みんなは気づいてるかわからないけれど、ずっと当然のように持っていた自分の価値観や考え方に挑戦してくれたり、批判的に新しい考え方をもたらしてくれたりしました。そういった考えのぶつけ合いは、(ぶつけるまでいかなくとも)チャレンジングで刺激的です。

それから、向こうが別にすごいとかじゃなくて、むしろわけわかんなくて、私や友達からすればあきらかにおかしいでしょって人もたくさんいて、イライラすることもあったけど、そういう人にいっぱい出会ったから、これからどうやって対処すればいいかを学べました。(わかる人には何のことを指しているのかわかるはず)

常に他人から学ぶものがありました。

そして、大学や出会った人たちが、様々な機会を与えてくれて、自分の力を試したり、スキルを向上したりすることができました。学校のカリキュラムもそうだし、それ以外のオンキャンパス・オフキャンパスの企画もそうです。

さらに、こうしたチャレンジングな状況で、辛抱強く見守ってくれる人や、支えてくれる人にもたくさん出会えて、ラッキーでした。

ここで出会った人たちのおかげで、人間としても成長できたし、豊かな学生生活を送ることができました。中には親友と呼べる友達も何人かできて、卒業した人もいるけど、今でも連絡を取り合ったり、休暇を利用して会ったりする仲です。

 

劇的に人生を変えた人がいるわけではないけれど、出会った人それぞれが何かしらの影響を及ぼしてくれて、たくさんの小さな化学反応が起こった感じ。

 

出会った人って別にオフラインに限らず、オンラインからの人もいます。

日本人海外大生のコネクションにも感謝してます。FacebookTwitterと...最近は便利すぎ。オンラインで知り合って、実際に会うということがめちゃくちゃ増えました。ひと昔前ならこんなことありえないんですが、オンラインで始まった人でも、たくさん大事な人がいて、オンラインの力舐めてはいけないなーと。仮に会ったことのない人でも、ソーシャルメディアを通して、イギリス・アメリカ・オーストラリアなどで頑張ってる様子を知り、刺激を受けることができました。

 

留学ってなると、英語力伸ばさなきゃとか、専門知識・経験蓄積しなきゃとか、すごい面白いことしなきゃとか、周りの日本人とは違う人間にならなきゃとか、いろいろ考えちゃうと思うんです。

別にいいと思うんだけど、結局振り返ったら、私は人が一番心に残ってました。

だって、私たちが生きてるのは社会だもの。いろんな経験や学習があると思うけど、結局そのもとになるものやそれ自体、人が社会的に作り出してるものが多いと思います。

 

出費はものすごいし、リターンに見合うかどうか聞かれたら、合理的にはNoと答えざるをえないけど、でも人ってプライシングできるものだろうかって考え始めたら、わからなくなる。

後悔は全くないし、ここに来て良かったなーと心から思ってます。

 

このブログは日本語だから、日本人しかほぼ読めないけど、オンライン・オフラインでお世話になった皆さまありがとうございました。これからも引き続きよろしくおねがいします :) 

Easter休暇に読んだ本たち

 

卒論執筆が一段落したのち、本を読みまくりました。すべて和書です。

買って読んでなかったものもあれば、新しく買ったものも。特に面白かった本8冊を紹介します。

 

1. 佐々木芽生「おクジラさま ふたつの正義の物語」

在米邦人の著者が、『The Cove』というアメリカ人による、太地町で行われている日本のイルカ漁についてのドキュメンタリー映画を見たのが始まり。著者は、その映画に含まれる視点の偏りに疑問を持ち、捕鯨・イルカ漁賛成派と反対派の両者を取材したバランスのあるドキュメンタリー映画を作ろうとする。

私が面白いと思ったのは、まず、単に漁師さんと反対派のアメリカ人活動家の方を取材するのではなく、さらに幅広い分野の方々を訪ね、多角的な映画を作ろうとしていること。その中でも私のお気に入りの人物は、文化人類学専攻だったアメリカ人ジャーナリスト。アメリカ人活動家の側につくわけでもなく、漁師さんの側につくわけでもなく、お互いを理解しようと、対話をしようと努める。アプローチが、文化人類学っぽいなぁって思わせるところもあるから、好きなのかも。

そして、今大学で社会運動(social movement)について学んでいるというのもあって、反捕鯨派の戦略の分析が細かくされているのもよかったかな。どうメディアを動かすのか、などは今までに読んだ論文と一致するところもあり、アカデミックな面からも楽しく読めた。

おクジラさま ふたつの正義の物語

おクジラさま ふたつの正義の物語

 

 東えりかさんによる素晴らしいレビューがHONZに載ってます。

honz.jp

 

2. 宮下洋一「安楽死を遂げるまで」

高校生のころから興味のあったトピック。高校生の時、医療のcontroversialな話題にすごく興味があった。いわゆる医療倫理。ベタだけど、臓器移植・代理母出産・デザイナーベイビー。安楽死もその一つ。今までは個々のエピソード(オランダやベルギーの例)をネットで拾って読むだけだったんだけど、ついに本を一冊読むことにした。

スペイン在住ジャーナリストの著者は、スイスを皮切りに、オランダ、ベルギー、アメリカ、スペイン、日本へ取材をする。国が変わるごとに、法律、文化、概念などの違いが浮き上がってくる。

この本を読んで、自分の知識がいかに浅はかなものだったかと思い知った。今まで断片的に情報を拾ってきただけだったので、安楽死の中の多様性みたいなものに気がつかなかった。安楽死と言っても、治療をやめることだけではないし、「誰がその命に手をかけるのか」で変わってくる。そして、方法によっては、瞬く間に息をひきとる人もあれば、30分〜1時間苦しみ続けて亡くなる人もいる。安楽死を許されるのは誰か。安楽死を決めていいのは誰か。安楽死尊厳死?自殺?とにかく、さまざまな線引きがありつつも、まだクリアにはなっていない部分も多い。

興味深いケースがいくつかあったのだけれど、いちばん心に残っているのは精神病の患者さんが安楽死を求めている場合。よくあるのは、癌や不治の病で治療してもずっと苦しいだけ、最後は植物人間に...なんてこともあったりするから、もう生を終わらせたいという人たち。けれど、本書で取り扱われている精神病の患者さんのケースは、「痛み」って本当に身体だけ?でも、どうやって測るの?という疑問を突きつけられる。精神病の患者さんが自殺という形で自ら命を絶つことは珍しくないため、安楽死を許すとそのような自殺を促しているだけではないか、という意見もある。しかし、本書のベルギーのケース(安楽死はしなかったが、求めていた)は、典型的な精神病のイメージすら覆される。

しばらく、医療倫理の問題に触れていなかったけど、またわくわくしてきた。

安楽死を遂げるまで

安楽死を遂げるまで

 

 

3. 杉原淳一/染原睦美「誰がアパレルを殺すのか」

つい1年前までは、アパレル業界には興味があり、アパレルメーカーか商社に入ってサプライチェーンに携わりたいと思ってたぐらい。この本を手に取らないはずがない。笑

従来の百貨店・ショッピングセンター型では上手くいかない...ユニクロを表面的に真似しても通用しない...ITを上手く利用すること・発想を転換させること・ライバルはアマゾンやスタートアップだと認識することが必要になるのだと示唆されている。

この本を読むと、地元に4年前ぐらいにできた某大型ショッピングセンターがばかばかしく思えてくる。この本で書かれている失敗を繰り返すだけではないか...と。実際行ってみたけれど、なんかぱっとしないなぁと思ってた。

つい先日ZOZOTOWNのサイトを始めて使ってみて(購入はしていないけど)感動したばかりだったけど、もちろん載っていた。ほかにも、アメリカのスタートアップの例なども載っており、私は何年ぐらい遅れているのだろうと思った。笑

しかし、どれだけ「これがすごい」「あれがすごい」と言われても、試してみるまではなんとも言えないかな。

誰がアパレルを殺すのか

誰がアパレルを殺すのか

 

 

 4. 吉田潮「産まないことは『逃げ』ですか?」

手に取るのは少し早かっただろうか、そんな気もするけど読んでみた。

「女性はライフイベントがあるからね」「女性は結婚・出産があるでしょ」と当たり前のように言われる@就活

私は子どもが欲しいのかよくわからない。子どもは好きだけど。とりあえず、誰かの話をゆるく聞くつもりで読んでみた。

子供のいない著者。結婚、離婚、再婚、いわゆる妊活や不妊治療を経験してきた。子どもは好きじゃない...なのに「子どもが欲しい」と思うときが著者にもあった。必死になって、ちまちま基礎体温計ったり、不妊治療に何十万円もかけたり。著者は、「夫とのつながりを求めたがゆえに子どもが欲しかった」と気づく。そんな人が他にもいるのではないか。また、著者は女性間での子どもいるいないでのマウンティングにも触れる。

子どものほしい・いらないって、どんな感情が織り込まれているのだろう?ちょっとそれが垣間見えた気がした。

産まないことは「逃げ」ですか?

産まないことは「逃げ」ですか?

 

 

5. ドゥニア・ブザール「家族をテロリストにしないために -イスラムセクト感化防止センターの証言」

著者はフランスの文化人類学者。イスラム国やアルカイダに誘われ、激戦地に赴いてしまう若者(本書ではジハーディストと呼ぶ)を止めるのが仕事。一般の人やメディアはよく理解していないために、ジハーディストの特徴について誤解がある。実際は、ムスリムだけではないし、低所得者層とは限らない。中にはユダヤ教信者だっている。テロリストの巧みな戦略を分析し、どんなタイミングでどのような方法を用いて若者達を止めるか。幻術を解くかのように、パチンとすれば、もとの自分に戻るわけでもない。家族や親の期待とすれ違うことだってある。そんなセンシティブでデリケートなプロセスに最前線で取り組むのが著者。

文化人類学者って、こんな仕事にも応用できるのかと感心したのがまず一つ。もちろん、文化人類学者みんながみんな、こんな大変な仕事をできるわけではないけれど。ただの心理学のカウンセラーではできないけれど、文化人類学者の彼女だからこそできるのは、読んでいくうちになんとなくわかる。私個人の見解だけれど、文化人類学者ってある文化のシステムに溶け込み、その中である程度の客観性を保ち、分析するのがうまい。人にもよるけど。先述の「おクジラさま〜」に出てくるジャーナリストの人もそう。このフランス人文化人類学者の場合とはコンテクストが全然違うけれど、本質みたいなものは似てるかな。

彼女のおかげで、我を取り戻した若者もたくさんいるけれど、失敗もあった。この本では、その失敗のケースも扱う。これまた衝撃的なケースだけれど、ネタバレになるから控えておく。

家族をテロリストにしないために:イスラム系セクト感化防止センターの証言

家族をテロリストにしないために:イスラム系セクト感化防止センターの証言

 

 

 6. 長尾彰「『完璧なリーダー』は、もういらない。」

本書は、宇宙兄弟という漫画の登場人物とエピソードを例に挙げ、どんなリーダーが効果的なのかについて論じている。著者の考える効果的なリーダー像と従来の理想とされてきたリーダー像を比較しながら書いており、わかりやすい構造の文章だ。宇宙兄弟の主人公の六太が実は著者の考えるリーダーなのである。宇宙兄弟を読んだことのある人からすれば、びっくりするかもしれない。

私は宇宙兄弟という漫画が好きなのでついつい買ってしまったが、騙されたと思って読んでみたら、すごくわかりやすくて良かった。自分には「リーダーシップがある」と思ってる人・「リーダーには向いてない」と思ってる人に読んでほしいなと思う本。

宇宙兄弟 「完璧なリーダー」は、もういらない。

宇宙兄弟 「完璧なリーダー」は、もういらない。

 

 

 7. 平良愛香「あなたが気づかないだけで神様もゲイもいつもあなたのそばにいる」

 日本人のゲイの牧師さんの自伝。沖縄で牧師の子供として生まれた著者は、どうやってゲイのアイデンティティを確立してきたのか、どう彼の信じる神と向き合ってきたのか、どのようなプロセスを経て牧師になったのか。キリスト教と性や同性愛の関係性についても議論している。

大学2年目始まる前に出会っていたら良かったなぁと思った本。(2年目にセクシュアリティの授業があり、キリスト教に関するところが難しかった)

私が、彼の考え方で一つとても気に入っているものがある。それは、どの人も100%異性が好き、100%同性が好き、100%両性が好きというわけではなく、グラデーションのようなものなのだということ。これがすごく腑に落ちたのだ。私は人生のうちで1回か2回女性に恋愛感情を抱いたことがある。それをほとんど誰にも言ったことがないけど、自分はもしかするとバイなのかなとずっと考えてた。しかし、彼の考え方に沿うと、ストレート・ゲイ・レズ・バイ...といったラベルにわざわざ合わせなくてもいいような気がする。これが心地よかった。

あなたが気づかないだけで神様もゲイもいつもあなたのそばにいる

あなたが気づかないだけで神様もゲイもいつもあなたのそばにいる

 

 

8. いとうせいこう「『国境なき医師団』を見に行く」 

 著者はジャーナリストではなく作家として国境なき医師団をハイチ・フィリピン・ギリシャウガンダにて取材。現地で奮闘する日本人・それ以外のスタッフ、現地で彼らから医療サービスを受ける人々にインタビューをしたり、活動を観察したり。

私は著者を「フリースタイルラップバトル」の審査員としてよく見ていたのと、これが初めて読む彼の作品だったので、イメージの違いに戸惑うと思いきや、Zeebra(ヒップホップ業界の超大物)の話や著者自身の音楽についても出てくるので、すんなり読めた。著者の文章のスタイルも、直感的に好き。彼が現地でスタッフや患者さんと話しているのが生き生きと伝わってくる。

最近、ソーシャルビジネスに傾倒しすぎてて、プロフェッショナルのNGOを見誤っていたのではないかと思った。チャリティ活動はunsustainableだ、と一括りにしてしまっていた気がする。もちろん寄付があるから成り立つのには変わりがないけれど、どのようにすれば、現地の人たちが国境なき医師団なしで自分たちで医療を回していけるのか、ということを、彼らは真剣に考えているのだ。当たり前だろって思うかもしれないけど、ソーシャルビジネスサイドに傾倒しすぎて、チャリティやNGOは助けてばかりで自立どころか依存を生み出すんだっていう思い込みができてしまっていた。私個人的には、サードセクターを考え直すのにいいきっかけの本だった。

「国境なき医師団」を見に行く

「国境なき医師団」を見に行く

 

 

いろいろ読みつつ、やっぱり自分の専攻に近いものに傾倒していることがわかりました。笑

これからもまた本を紹介していきたいと思います。

 

 

小学生時代を思い出す

クレタ島イラクリオンに来てから、蚊とダニに刺されまくってます。

刺されるんだったら、イギリスに帰りたい笑

 

思い出シリーズなのか、今日は小学生時代を思い出しておりました。

 

ちなみに、良くない思い出ですね。思い出すだけではらわた煮えくり返ってくる。

 

私は、荒んだ小学校にいました。いや、末の弟のときはひどくなかったから私の学年が荒れてたという方が正しいですね。クラスが2つしかないような小さい小学校。田舎者なんです、はい。

 

私って、マイペースで浮いてる感じの子供だったので(今もだけど)、いじめの対象によくなってました。同級生の女の子とはそれなりに仲良くしていましたが、男の子からはいじめられていました。

 

なにかといちゃもんつけられたり、読書タイムのために持参した本(イキってたので、東野圭吾の小説を読んでた)を投げ捨てられたり。

近所の同級生の男の子(その子もいじめられてた)とチューしてたとかいう、ガセネタが回ったり。

どんなにいやがらせしても、成績は一番だったので、気に食わないと思ってた子は多かった。

平気で嫌だっていうし、暴力を振ろうと思えばできる子で、いわゆる「女の子」に当てはまらなかったから、ターゲットにされた。

真ん中の弟には自閉症・知的障害があって、末の弟はちょっとトロいというか、まぁ周りが見えてないことも多かったから、私たち三人姉弟のことを、まとめて「ガイジ」だと呼んだやつがいた。

当時は、好きな漫画・アニメと塾がなければ、自殺未遂をしていたと思う。家族のことを考えたら、死ねはしなかっただろうけど。自殺は考えた。

そういう小学校時代(特に高学年)でした。

 

こうした嫌がらせの中で、ひとつ誰にも言えなかったものがあります。

それは、セクハラ的な言葉のいやがらせでした。

 

小学校高学年のとき、漫画とアニメに夢中でした。母がNARUTOを誕生日に買ってくれたのがオタクへの道の始まりだったと思います。(もともと少女漫画は読んでたけど)

同級生でそこまでオタクの人はいなかったと思います。(誰も理解してくれなかった)

そんな私は現実の男子より二次元のかっこいい男子キャラクターの方に夢中でした。

当時、漫画を真似して描いてることもよくあって、それをみんな知ってました。

 

そしたら、同級生男子何人かに

「(推しキャラ)とセックスしたいん?」って何度も聞かれました。

これがすごく嫌だった。いろんな理屈抜きで不快だった。

この年頃の男子って性的なものに目覚めて、しゃべらずにはいられないんだろうけどさ。ほんと、気分悪かった。

彼らだけでさ「おっぱ〜い」とか言うんだったら、勝手にしといてって感じだけど、私にわざわざセックスの話するのはアウトじゃね?

頑張って無視してたけど、無視してもやめないし、やめてって言ってもやめないし。思い出すだけ辛い。

 

でも、これを先生や親には言えませんでした。「セックス」って言うの恥ずかしいし、性的なものについて喋っちゃだめなんだと勝手に思ってたんだと思います。

本心としては、先生に気づいてほしかったし、察して欲しかった。

でも、担任の先生ってズボラな定年前のおばちゃんだったんですよ。今考えたら察するとか無理。だって、

「さとみが嫌って言わないからそうなるのよ」もしくは「無視しないからそうなるのよ」って言っちゃう人だし。

いや、私両方してるけど、それでも変わらんやん。。。

 

今となっては、担任がどんな人かに限らず、「察してください」はだめだと思いますね。

 

きちんと言うべきだったと思います。

実際に言って、状況が変わったかどうかはわからないけどね。

 

できれば、学校側がきちんと道徳教育や性教育をしてほしかったです。

でも、私がこの問題について誰にも言わなかったから、きっかけすら生まれなかったんだろうな。

 

ああ、悪い芽は早めにつぶしとかないとって思います。

こういう小さい頃の誤りが改善されずに大人になって、平気でセクハラかますんだろうな...

もちろん、大人になる途中で「あれはしてはいけないことだったんだ」って気づける学びがあれば、そんなことはないですけど。

 

そう思うと、大人の腫瘍摘出も大事だけど、再生産を防ぐためにも子供への教育も必要だな...

 

私が、自分の経験から若い世代に伝えるとしたら

・「気づいて欲しい」は通用しないから、ちゃんとはっきり言う(口で言いづらいときは、手紙でもいい)

・嫌だと思ったら嫌とはっきり言って、起きた嫌なことを信用できる大人にも伝える

・性について話すことは恥ずかしいことではない

・性について全く喋っちゃだめではないけど、相手を嫌な気持ちにさせるものはだめ

・相手が嫌だと言ったら必ずやめて、謝る

・性行為を含め、相手の体に触れるときは、してもいいか聞いて、相手が「いいよ」って言うまでしない

 

かなぁ。

 

こういう教育ちゃんとやってる団体とかないかな。ほんとセクハラは上からのアプローチも大事だけど、下からもやらないと...

 

高校時代を思い出す

さて、旅も半分以上が終わって、最終目的地に来て、あと1週間ほどでイギリスに戻ります。

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アテネから1時間ほど飛行機に乗って、クレタ島イラクリオンという都市に来ました。泊まっているのは郊外エリアですが、イラクリオンの市内まで海沿いの道を歩けば30-40分で行けます。ローカルバスに乗るのがめんどくさいし、時間を選べば暑くないので、行きも帰りも歩くことにしました。車があるとイラクリオン以外の市にも行けるので、行くなら国際免許(もしくはEUの国の免許)を持ってレンタカー借りて...がいいでしょうね。

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こんな綺麗な海を横目に一人で歩いてたら、またいろいろ思い出して考えてしまう...笑

 

てなわけで、考え事について書きます。笑

 

今日は高校時代のことを思い出してました。

厳密には高校のことではないんですが、高校2年生のときです。

 

当時からいろいろやりたがりだったので、自分の高校と地元の国立大が協定を結んで行っている高大連携プログラムというのに参加して、少額で地元国公立の教養科目を1科目だけ受けてました。

そこで経験したことが、その後の進路に大きな影響を与えています。

今日はそのことを思い出しました。

 

科目の基本的な情報

  • 教養科目で学部関係なし
  • 火曜5限(なので、高校の授業が終わった後に参加できた)
  • 毎回ディスカッション(レクチャーが一切ない)
  • ディスカッション用グループが定期的に変わる
  • 日本語での授業
  • 日本語レベル高めの留学生が参加しており、約1割ぐらいを占める
  • 人気なので抽選
  • 法学部の先生が教えている
  • グループプレゼンテーションと個人レポートで評価
  • ディスカッションのお題はさまざまな社会問題について
  • 留学生以外は学部1年生

 

(個人的に)参加して良かったこと

  • 日本の大学の一面を知れたこと
  • 自分の勉強したいことがわかったこと
  • 自分の高校の卒業生以外の大学生の知り合いや友達ができたこと
  • 留学生の知り合いや友達ができたこと
  • 社会問題について考える機会がたくさん得られたこと

 

(個人的に)参加して悪かったこと

  • 部活を週に1回休まなければならなかったこと
  • 交通費(モ◯レー◯は高いですね...)

 

基本的な話はこれぐらいにして、このプログラムについての何を思い出していたのかという話ですが、上記にも書いた通り、グループプレゼンテーションがアセスメントとしてありました。そのグループプレゼンの話です。

そもそも、1グループの人数が多くて(7人ぐらい)、当時はみんながみんなスマホを持っていない時代(だいたいガラケー)でした。

正直言うと、このグループワークはめちゃくちゃでした。笑

まず、リーダーを決めなくてはいけない場面で、"おまけ"で参加している高校生の私が指名されました。ほかにやってもいいよという人、やりたいという人がいなかったし、高校生の私は年上の大学生に嫌だと言えず、やらざるを得なくなりました。

そして、それまでリーダーポジションの経験はあったものの、ここは大学なので、中学・高校とはわけが違うことを思い知らされました。まず、自分はほとんど大学に来ないし、仮に大学生であっても、中高とは違ってクラスもないし、この科目は学部ごちゃまぜなので、この授業でしか会えません。

みんなのメアドを集めて、メールで連絡しても返信しない人が半分ぐらいはいましたし、みんなの時間割がばらばらすぎて集まってミーティングすることもできませんでした。

そして、私がまとめる能力がなかったのか、私を支えてくれる人がいなかったからか、理由はなんであれ、唯一みんなが集まる授業の場で、プレゼンの方向性を決めるとき、コミュニケーションの問題が起きました。そして、誰も気づかなかったか、気づいていても指摘しませんでした。

 

まず、お題は「格差」にしよう、ということになりました。

当時の私たちは全くつっこまなかったのですが、今の私、いや大学1年の私でも

「テーマでか!!」笑

格差って言っても、なんの格差なのか、格差の何について話したいのか。

私は、「所得格差から生じる問題」についてテーマにしようと、グループに伝えていたのですが、伝わっていなかったらしいです。

 

それぞれが

所得格差からの教育格差(例:日本)

所得格差からの健康格差(例:アメリカ)

カナダで所得格差が生まれた経緯(技術の発展うんぬんかんぬん)

日本の所得格差の是正方法(累進課税と消費税)

所得格差の測り方(ジニ係数

を話す、めちゃくちゃなプレゼンになりました。もちろん、評価は...お察しください。

 

参考文献やらプレゼンスタイルやら、他にも問題はたくさんありましたが、それ以前に一貫性のないプレゼンをしてしまったこと、すごく強く記憶に残っています。

 

なぜなら、やっぱり自分がリーダーとしてグループをまとめきれる能力がなかったこと、何より、この矛盾に気づいたとき(プレゼン1日前ぐらい)、「今さら言っても遅いだろう」と諦めたことが悔しいです。

 

今の時代ってLINEがあるからまだ連絡しやすいし、ファイルの共有もGoogle Driveでできる。けど、私のときはそれがまだメインストリームではなかった。まぁ、そんなことを言えば、メールのなかった時代うんぬんという話になるので、技術環境に文句は言えません。

 

今日考えてたのは、「あのプレゼンはどうやったら、もっとましなものになってたんだろう」ということ。

自分を責める内容ならいくらでも言えます。

Day1から、自分の言いたいこと言えてませんでした。言っても、相手に伝わっているか確認ができていませんでした。たぶんそれが大きな原因だったと思います。

あとは、グループメンバーがあまり真面目じゃなかったかも。一緒にグループワークしてるようでしてないようなものだったから、みんながどれだけやっていたのかわからないんですけどね。

そう考えると、グループワークの時間がとれなかったのも問題ですね。こればかりはどうしようもない。

 

...自分たちだけで解決できただろうか?

 

てなわけで、大学側ができたことを考えてみました。

 

プレゼンをやるにあたってのガイダンスを細かくする。

ガイダンスはあった。けど内容がすっごい大雑把...というか薄い。

「今回wiki使うのはokだけど、ほかの授業では基本ダメだよ」

「パワーポイント使ってね」

それぐらいしかなかったと思います。

 

まず、このプレゼンにおいて何が期待されているのか、何が評価されるのかの説明は欲しかったです。

評価項目、評価基準(例:〜ができたらA/B/C)、含めるべき事項の説明が必要でした。そして、口頭だけでなくWordなどにまとめて、学生と共有すべきでした。

また、以下の指導を行うべきだったと思います。

  • リファレンスのやり方
  • パワーポイントの作り方(主に色や文字の推奨)
  • グラフのアドバイス(ナンセンスな円グラフ・3Dグラフは使うな、とか)
  • 話し方
  • グループワークの進め方のアドバイス

口頭のみならず、全て紙かデータで学生と共有。

あと、グループ名簿はあったけど、メアドも名前と一緒に載せてもよかった気がします。(プライバシー云々の場合は仕方ないけど、うちの大学では大学アカウントのメアドが載ってました。。。)

もう少しわがままを言うなら、オフィスアワー設けるなり、メール受け付けるなりして、事前にパワポを見てフィードバックしてもらえる特典が欲しかった。ご多忙なのは知ってるので、ほんとにこれはわがままな要望だけれども。

 

私は、「イギリスの大学では〜」と言うのが嫌なんですが、上記の提案はイギリスでの経験がもとであることを最初に断っておきます。イギリスの例を使って日本の批判するのはあまり良くないと思ってるのですが、ここだけは取り入れてもいいんじゃないかなって合理的に考えても思うからです。

まず、アサイメントの目的、評価について説明するのは当然だと思います。なんのためにやっているのかわからないし、最終的に評価されないことをやってとんちんかんなプレゼンを作っても意味がないからです。こういうのは、module outlineにして、day 1からわかるようにしておくべき。

それに、一年生対象にしてるんだから、プレゼン自体のガイダンスがもっとしっかりしてていいはずだと思います...レポートのガイダンスにいたってはゼロだったので、何をどう書けばいいのかわからなくて困りました。そのとき質問しなかった私も悪いですが、たくさんの学生からわーって質問が来て答えたり、変なレポート読まされて評価に困ったりするより、きちんと時間を使って説明したほうが合理的な気がします。

うちの大学では1年生のモジュールだと必ずアセスメントのガイダンスだけに特化したレクチャーやセミナーがありました。

あと、ほんとにデータ共有が少なすぎて、時代のせいもあるかもしれませんが、効率性が悪いです。今はblackboardみたいなプラットフォーム使って、改善されてることを祈ります。

オフィスアワーや事前のあれは先生のキャパ次第ですが、アサイメントの評価やガイダンスについては一回作れば使い回しできるし、修正箇所があってもちょっと直すだけで済むし。あと、授業の構造的にも、一回1時間半で30〜50分ぐらいをガイダンスに使ったって支障ないカリキュラムでした。

 

もちろん、私たちグループに非があるのは間違いないのですが、上記の提案をした理由は、相対的に私たちのグループはひどく劣っていなかったからです。

 

 

他のグループのプレゼンがどうだったか踏まえて考えたとき、自分のグループがひどいのには変わりがないけど、「こことは天と地の差だわ〜」っていうグループがあったわけでもないし、記憶に残るものは特になかったです。申し訳ないけど。だから、私のグループの人間がずば抜けて悪かったというわけではないと思います。

みんな少ない情報で、かつ時間やその他厳しい条件のもと、試行錯誤してプレゼンを作ったのではないかと思われます。

みんな価値あるテーマに取り組んでいたので、ガイダンス次第でもっと良くなったのになぁと思いました。

 

でも、もちろん私たちのグループに非があり、ガイダンスをやってもめちゃくちゃなプレゼンをしていた可能性もあります。ただ、ガイダンスがあったらましだったかも、という話です。私はおまけですが、他の学生は学費を払っているわけですし...安いけど...

 

高校のときの話なので、今は変わってるかもしれません。

 

適当にぼやっと考えて言葉にしてみたかったので書きました。

この某地元国立大学の学生さんおよび卒業生の方、教職員の方々、ディスった感じみたいになって申し訳ないです。

 

将来を考える

 

旅も後半に入り、ギリシャへ。

アテネは、プラハブダペストに比べると暖かく、少し風が吹いていて心地よい。

それでも、気温差で身体が1日もたなかった。

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ギリシャっていっぱい遺跡残っててすごいなぁ...と感動していた。

ローマ帝国時代の遺跡もあって、ひたすらわくわくしてた。ごはん食べるのを忘れるぐらい。

 

 

ところで、一人旅してると、ほんとに一人だから考え事しがちになる。

もちろん、おいしいご飯食べたり、素敵な景色を見たり、歴史を感じたり、冒険したり、考え事をしてる暇がないときはあるし、日本やサウサンプトンと違って危ない場所もたくさんあるので、あまりほかのことを考えないように意識して、警戒しながら行動する。

でも、ふとした瞬間、いろいろ考えてしまう。特に卒業後のことを。

 

旅先でもTwitter, Facebook, LINEなど、ソーシャルメディアとコミュニケーションツールは手放せない。

そのような状況で、おそらく、日本にいる友達(高校の同級生など)が大学を卒業して就職・院進することや、イギリスの大学にいる人がコツコツとロンドンでの就活イベントのために準備してることを、ソーシャルメディアを通して知っているのが影響として大きい。

単に「(日本の)桜が綺麗🌸」じゃ、私そこまで卒業後のこと考え込むことないはず。笑 日本に対するホームシックは十分あり得そうだが、桜が咲く前からすでに始まってる...笑

 

自分のこと云々の前に、もちろん日本の友達が新たなライフステージに移ることはとてもおめでたいと思っているし、心から応援もしてる。私よりも一足先に卒業して、ちょっとさみしい気持ちもあるけれど、みんなこれから大変なんだもんね...少しでもより多くの良いこと・楽しいことがありますように。

 

そんな思いと同時に、私は卒業後どうするんだっけと自分に向かって問いかける。

卒論を書き上げてからだ、そんな問いが出てきたのは。

 

時系列で追えば、まず夏休みだ。親友に会う、新しく住むところを探す、卒業式に出る、できれば東アジアと東南アジアを旅行して現地の友達に会う。そして10月には就職だ。

 

昨年12月に、今年の10月から所属する場所は決めた。自分が好きなこと・得意なこと・目指したいこと・組織や人との直感的な相性から、ここがフィットしそうだな、と思って、オファーにYesと答えた。

今でもその決断は納得しているし、10月からそこで働くんだ、という意識はある。

でも、そこに永遠にいる自分は想像できないし、かといってそこを去った後の自分も想像できない。友達が大学教授になりたい、経営者になりたいと言っているそばで。たとえ、彼らの考えるものがふわふわしたもので、夢みたいなことだったとしても、私はそういうでっかい何かがない。

 

一方で、10月に入る組織と関係のない、小さな細々としたやりたいことが、まとまりもなく、ランダムに浮かび上がってくる。学問であったり、マイクロビジネスであったり、not-for-profitの活動であったり。

どれも今すぐ手をつけないと関心が薄れて忘れてしまう、という焦りがある。飽き性だから本当にどれも賞味期限が短い。笑 消費期限で表すのが正しいものもある。とにかく、やりたいことをやれずに風化させてしまうのがいやなのだ。

ただし、手をつけたからにはある程度の期間はコミットしないといけないという縛りもまた苦しい。その縛りが正しいかわからないけれど、おそらくイギリスの1年の修士課程に入ったら、最初に出した修論プロポーザルの内容と半年後にやりたいものが完全に違う。なんらかのビジネスを始めても、すぐ他の全く違うビジネスや、もはや研究テーマについて考え出し、もともとの企画を中途半端にしてしまう気がする。

これでは、まともな論文も書けないし、きちんと収入も得られない。

 

そんなふうにぐちゃぐちゃ考えてしまう。

こんな私はどうやってオファーをとれたのだろう。笑 (いや、何が決め手だったのかはフィードバックから知ってるけど...)

 

でも、10月からの仕事もやってみないとわからないし、何か素敵な出会いがそこで生まれるかもしれないし、とりあえず決めたことに身を委ねるというのも選択肢の一つかなと思う。友達がそう言ってくれた。

 

それから、アメリカで学部を終えてOPTをやってる友達にこんな話をしたら、「それって強みだと思うから、活かせるところが見つかるといいね」と言ってもらえた。

もちろん努力はするけど、最後は運というか縁だから、見つかりますようにとひたすら願う。

こうやってブログに書きながら自分の思考を整理してたけど、悪いことばっかじゃないよなと最終的には思ってる。

 

でも、何かもやもやが残る。

おそらく、やりたいことを取捨選択する前に風化させてしまうのが許せないんだろうな。もちろん全部できないし、どれかを選んでどれかを捨てなきゃいけないのはわかってるんだけど...

難しいなぁ。どこにいても、最終的には専門性を持たないといけない気がするし、generalistでも範囲はそれなりにもってないといけないし。思い込みかもしれないけど...

 

誰かと話したいなぁ。

 

これからも悩み続けるけど、まずは卒業を第一に、抱えてるプロジェクトはコンプリートさせる!

 

卒論をほぼ終えたあとのメモ

 

satomioya.hatenablog.com

 

前回は卒論のテーマについて語りました。超長いので、本当に興味のある方がとばしとばし読んでくれたら、それだけでも超嬉しいです。

 

先日卒論を書き終え、まだ最終チェックや製本などはできていないものの、卒論制作にあたって、ちょっとしたメモみたいなものを今回は書いてみようと思います。

あまりまとまりがないと思うのですが、これをやってよかった・これはやらない方がよかった・こうすればよかったかも、みたいなことを書きます。

もし誰かの役に立つことが少しでもあれば望外です。

 

注意:

イギリスの大学の社会学・社会政策の卒論です。

調査方法は、質的調査(Qualitative methodology)でsemi-structured interviewです。

卒論の規定の長さは10,000語です。(AbstractやReference listを入れて72ページ)

 

テーマを決める段階において

以下の下調べの方法はよかったと思う。

 

1. まず、自分の興味のあるものを書き出す。そしてひたすらググる。(先行研究じゃなくてok)

特に社会学なので、メディアの記事などを見て、そこからインスピレーションをもらうのは十分あり。

私の場合は

興味のあるもの「social business (social enterprise)」

ググる

目に止まったもの「Best bits: Islam and social enterprise」

www.theguardian.com

 

2. ある程度決まったら、Google scholarを使って似たような分野の先行研究があるか調べ始める。

ググる「Islam + social enterprise (social entrepreneurship)」

検索結果

  • Conceptualising social entrepreneurship 
  • Entrepreneurship from an Islamic Perspective
  • Islamic social business to alleviate poverty and social inequality
  • The influence of an entrepreneur’s socio-cultural characteristics on the entrepreneurial orientation of small firms (Turkish entrepreneurs in London) ...

 

3. 傾向を把握する

  • 「social enterpriseの定義やビジネスモデル、理論についての研究はたくさんある」
  • 「Islamとsocial entrepreneurshipの両方が入ってるのは、1件だけだった」
  • 「Islamとentrepreneurshipやbusiness ethicsの関係性の理論は、割とあるなぁ」
  • 「entrepreneurshipとmuslimのケーススタディは、ちょっとだけある」

 

「とりあえず、Islamとsocial entrepreneurshipの関係を調べたのはほぼないけど、土台となるIslamとentrepreneurship、social enterpriseの定義などはあるから、Islamとsocial entrepreneurshipをトピックにできそうだ。まず決める前に、これで先生に相談してみよう」

 

相談する前に誰に相談すべきかを考えるべきだった

学部のウェブページに行き、自分の興味に近い研究をしている先生を見つけることができる。

 

4.相談する

先生「いいと思うけど、私よりXXXと△△△の方が詳しいから、メールしてみなさい」

紹介してもらった先生にメールする

XXXと△△△「面白そう!読んでみた方がいい論文のリストを作ったから活用してみてね」

 

*このときは先生が自ら論文のリストを作ってくれたが、そうでない場合は、自身の研究の内容について詳しく聞いてみたり、先行研究の中でバイブル的な存在のものを教えてもらうと良い。さらには先生のペーパーのLiteratrue reviewを読むと良いかも...

 

5. 先生のアドバイスを取り入れて論文を読み、土台を増やす

教えてもらった論文をもとに、google scholarに戻って新しいキーワードで調べる

私の場合:

「ethnic minority enterprise」

「ethnic minority social enterprise」

「religion + social entrepreneurship」

「religion + entrepreneurship」

value + social entrepreneurship」

 

6.検索結果から傾向を把握する

私の場合:

「ethnic minority enterpriseは、XXX先生の研究を含めいくつかある」

「ethnic minority enterpriseでイスラム教のことやムスリムのことを書いた論文は少ない」

「ethnic minority social enterpriseは、△△△先生が教えてくれたSepulveda et al. の論文以外は見つからない」

「religionとentrepreneurshipは山ほどある」

「Weberの現代版がどうのこうのっていうのも多い」

「religionとsocial entepreneurshipはRoundy et al.ぐらいしかない」

valueとsocial entrepreneurshipはいくつかある」

 

7.ギャップを見つける

私の場合:

  • Religion & social entrepreneurshipがほぼ未開の地で、先行研究はアメリカとナイジェリアのみ。
  • Islam & social entrepreneurshipは理論しかできてない
  • Ethnic minority & entrepreneurshipでは、イギリスのムスリムが調査対象になっていても、宗教に関する点があまり議論されてない、もしくはカルチャーとごちゃまぜになっている
  • Value & social entrepreneurshipとreligion & social entrepreneurshipはたくさん論文があるものの、ほとんどビジネスのジャーナルの論文ばっかり
  • →ethnic minority enterpriseは社会学のジャーナルに投稿された論文もあるから、社会学からアプローチできるはず

 

プロポーザルで説明するために...

8. 何が土台となり、何がギャップなのかを図式化する

図をもとに、プロポーザルのプランを作る。

今、手元に図がないので載せられない...

 

9. テーマを絞り込んだ後、research questionを作る

テーマの中で何を知りたいのか?を明確化する。

私の場合は、

The relationship between Islam and social enterprise in the UKというテーマの中で以下の問いを作った。

  • How do Muslim values influence social entrepreneurial intentions and the mobilisation of financial and social capital?
  • How does being of Muslim faith shape opportunities and challenges in social entrepreneurship?
  • What are the specificities of Muslim social entrepreneurship in Britain?

 

本格的に土台作り(Literature Review作り)をするとき

 1. 土台となる分野をリストアップ

 私の場合だと

  • Social enterprise, social entrepreneurshipの定義・理論
  • Value and (social) entrepreneurship
  • Religion/spirituality and (social) entrepreneurship
  • Ethnic minority (social) enterprise
  • Islam and (social) entrepreneurship/business

 

2. Google scholarで各トピックをとにかく調べまくる

どのトピックも検索結果の10ページぐらいはチェックした方がいいと思う。

 

3. できれば、まとめ論文みたいなものを最初の方に見つけて利用する

最近の論文(2~3年以内)で、「〜のトピックについてreviewしました」みたいな論文や、「いろんな定義集めて議論しました」みたいな論文を利用する。

Reviewの対象に入っている論文で、関係ありそうなもの・面白いと思ったものをピックアップし読む。

 

3. 各論文を読み、reference、abstractとまとめをwordに記録(wordじゃなくてもok)

Referenceを作っておけば、あとで楽。読むのはabstract, discussion, conclusionぐらいでok

 

4. 全部やりきった感が出たら、wordの記録を見直し、ポストイット(以下のような大きめのもの)に著者名(年)・論文概要を書く。

もし、100個ぐらい論文をすでに読んでたら、止めて大丈夫です。学士の卒業論文では十分以上。(私は論文読むのが楽しくて100超えてた)

f:id:satomioya:20180330042459j:plain

私のポストイットは一色しかなかったけど、上のものみたいに何色かあれば分野ごとで色を変えるのもあり。

 

5. できれば、大きい模造紙を用意し、壁に貼る。(マスキングテープだと、壁に傷がつかないのでオススメ)

 

6. まず、最初にリストアップした分野ごとに論文を分けて、模造紙に貼る

f:id:satomioya:20180330042828j:plain

 

 7. 次に分野内で、論文をさらに分ける。

たとえば、Religion/spirituality and (social) entrepreneurshipの場合:

(1) Entrepreneurshipの事例とsocial entrepreneurshipの事例に分ける

(2) Entrepreneurshipの事例の中でさらに分ける

(3) 経済的規模(high/middle/low income)もしくは地域(北米・ヨーロッパ・アジアなど)で分ける

  • religionの比較した研究(たとえば、christian, jewish, muslim, hindu, buddhist, non-religiousで、起業家の割合を比べた研究)
  • 特定のreligionとentrepreneurshipの関係性についての研究(Christianのケース、Hinduのケース、Muslimのケース...とさらに分解)
  • 非特定で漠然とreligion/spiritualityとentrepreneurshipの関係性についての研究
  • 特定の国において特定のreligionとentrepreneurshipの関係性についての研究

ほかの分野でも同じ作業を繰り返すと、どっちの分野にも属する論文が出てくるので、模造紙上で、うまくそこはつなげる。

 

8. それぞれの分野、そして全体の傾向を改めて把握し、ギャップを明確化する

 

9. もう一度分野のリストを見直し、ほかに入れるべき事項がないか確認する

私の場合、見直しを忘れており、指導教官から以下のトピックを入れるように言われた。

  • Islamの基本情報(どんな宗教か)
  • Theoretical framework(どのセオリーを使って分析するか)

Theoretical frameworkに関してはのちほど

 

9. Literatrue reviewの目標語数を決める

指導教官と相談して決める。私の場合は、全体10,000語に対して3500語程度でした。

 

10. それぞれの分野をセクションにして、文章にしてみる

このとき、各分野について必ずコメントを入れる

コメント内容は、各分野の傾向や足りない部分について。

 

11. 確実に語数オーバーするので、優先順位の低いところからいらない部分を削っていく

 

12. 書けたら、proof-readをして指導教官に見てもらう

見てもらえない場合は、ほかの人(論文を書いたことのある人)に見てもらう。

 

Theoretical frameworkについて

エッセイやレポートではあまり気にすることがなかったので、指導教官に指摘してもらうまで全く知らなかった。

だいたい社会学のどの論文でも何かしらのtheoretical frameworkが使われてるらしい。

私の場合は、Bourdieu(1986)theory of capitalを主に取り入れた。

 

1. 自分がやりたいと思っているのと似たようなタイプの論文がどんなtheoretical frameworkを使っているのか見る

私は社会学的な視点で、宗教とsocial entrepreneurshipの関係を調べたかったので、社会学でentrepreneurshipを調べている論文を参考にした。

Ram et al. (2008) Forms of capital, mixed embeddedness and Somali enterprise

Vershinina et al. (2011) Forms of capital, intra-ethnic variation and Polish entrepreneurs in Leicester

 

2. どの論文を参考にしていいのかわからなければ、supervisorに聞く

 

3. 自分の調べたいこと(research question)と合致するtheoretical frameworkを選ぶ

社会学の場合、agency 対 structureという考え方があり、ざっくりと言えば、社会にいる人々の視点見るのか、社会構造を見るのか、という感じです。

私の場合は、社会構造より個々の人々に着眼点を置いて、宗教がsocial entrepreneurshipにどう影響しているのか、つまり、個々の人が宗教を信じていることによって彼らのsocial entrepreneurshipがどう影響されるのか、を知りたかったので、agencyタイプであるtheory of capitalを選びました。

もし、社会構造の方を重視したければ、mixed embeddednessというセオリーを選んでいたと思います。

 

4. 文章にする際、theoretical frameworkの説明、使う理由のほか、強み・弱みのコメントを入れる

まず、誰が作ったセオリーなのか、セオリーの説明。

その次に、なんでそれを使うのかを説明。

次にメリット・デメリットを説明。

もしそのセオリーがメジャーでない場合は、使うことによってセオリーの新たな発展に貢献できることをアピールすると良いかも。

私の場合は、従来のtheory of capitalに含まれていないspiritual capitalというものも取り入れたので、それを取り入れることによって、セオリーの発展に貢献するよ!と書いた。

 

調査方法の決定について

かなり順序を適当にしてしまったので反省も込めて。

 

1. まず、本を用意しよう

社会学ならこの本がおすすめ。絶対どの大学の図書館にもあるはず。買わなくて良い。

 この手の本は、ほかの学問分野でもある。リサーチの手順・あらゆる調査方法やサンプリング方法が書いてあり、とても便利。

Social Research Methods

Social Research Methods

 

 この本には、社会科学系のリサーチをするための情報が網羅されている。

特に社会学・社会政策・人類学・犯罪学をやってる人におすすめ。

 

2. Epistemology (+ ontology) から始める

私は、先行研究にインタビューが多かったという適当な感覚でインタビューを選んでしまった。結果的には問題がなかったが、本当は良くない。Epistemologyという哲学的な考え方から始める必要がある。

本によってごっちゃになってることもあるが、たぶんこれが一番わかりやすいかなと。

Epistemology - What constitutes valid knowledge and how can we obtain it?

Ontology - What constitutes reality and how can we understand existence?

Dr Arwen Raddon(University of  Leicester College of Social Science)のpdf「Early Stage Research Training: Epistemology & Ontology in Social Science Research」より引用

Epistemologyには2種類。

 

Positivism と Interpretivism

  • Positivismは、客観的リアリティは存在し、数字によって表すことができるという考え方。確認・再現が可能とされる。また、結果は一般化することができるとされる。自然科学系の学問によくある。この場合、計量調査方法を用いることが多い。
  • Interpretivismは、真実は一つだけではなく、様々な視点があり、リアリティは社会的に作られたものだと考える。人々は受け取った情報をもとに行動する。いろんな人の視点を彼らの言葉を通して理解する。人々の意味付けに重点を起き、結果は解釈にすぎない。この場合、質的調査方法を用いることが多い。

Research questionから判断する。

 

3. Epistemological positionを決めたら、計量か質的かを決める。両方やるのもあり。

ここでも、Research questionと照らし合わせる。

 

4. 計量/質的を決めたら、リサーチデザインを決める

  • Experimental study
  • Quasi-experimental study
  • Observational study

- Ethnographic study

- Case study

- Survey (Longitudinal, cross-sectional, cohort)

個々の説明がめんどくさいのでググっていただけるとありがたい。すみません。

ここでも、research questionと照らし合わせる作業が必要。

私はイギリスのムスリム社会起業家について知りたかったのので、case studyという形をとった。さらに、以下のquestionに答えるため、非ムスリム社会起業家と比較する調査にし、multiple case studyというリサーチデザインにした。

  • What are the specificities of Muslim social entrepreneurship in Britain?

そして、ethnographic studyやsurveyでは知りたいことをつっこんで聞くことができないので除外。

 

5. リサーチデザインを決めたら、リサーチメソッドを決める

 

私は、質的調査方法を採用したが、質的調査方法には以下がある。申し訳ないが、個々の方法については自分でググってほしい。

  • Qualitative interviews (In-depth interview)
  • Focus groups
  • Observation
  • Ethnography/participant observation
  • Qualitative document analysis
  • Visual methods

私の場合は、Qualitative interviewsという方法を選び、特にsemi-structured interviewという方法にした。これは、ある程度質問を用意しておき、質問の回答次第で、気になる部分があれば、「それってどういうことですか?〜とはどういう意味なのか説明してもらえませんか?」などとつっこみ、新しくその場で質問を作っていく感じ。

ムスリムおよび非ムスリム社会起業家がどんな風に社会起業のプロセスと自分の宗教や価値観の関係性を認識しているのか、どうそれを意味付けし、表現するのか、各個人での共通点や違いも含め知りたかったため、semi-structrued interviewにした。

 

6. 毎回必ず本を参考にし、参考になった部分をreference含め、メモしておく。

あとで調査方法のセクションを書く時に、「なぜその方法を採用したのか」という理由づけの際に本を引用してバックアップできるからだ。

 

サンプリングについて

本を参考にし、research questionに照らし合わせつつ、現実的な方法を選ぶこと。サンプリングバイアスがかかるのは学士論文だと仕方がない。サンプリングのセクションを書く時に、たとえば「〜という理由で難しかったので、友達や知り合いのコネに頼りました」とちゃんと含めればok。論文の中では、なぜそれを選んだのか、長所・短所についてコメントすること。そこでも本を引用し、バックアップする。

 

インタビューの相手を探す

とにかく使えるコネクションを頼りまくる。

私は以下のコネを使った。

  • 社会起業家ネットワーク
  • ムスリムの起業家ネットワーク
  • 友達で起業家を知ってそうな人・起業家の友達
  • 卒業生のネットワーク
  • Enactusの卒業生ネットワーク

 

LinkedInや電話だと高確率で返事がもらえる。

(LinkedInはプレミアムプランが初めの月だと無料!!繋がっていない人にもメッセージが送れる)

 

あとは、〜さんの紹介でとレファレンスがあると返事が早い。

 

実際のインタビューについて

だいたい反省点。

 

1. 相手にインタビューの時間はおよそどれぐらいというのを伝えるのはマナーだが、時間を気にしすぎると、聞きたいことがうまく聞けないときも多いので、それはそれで注意。

 

2. 一回目のインタビューは高い確率で失敗することを意識して臨んだ方がいい。あとで文字起こしをしたときに、落ち込む必要はない。

 

3.( 特に自分もしくは相手が非ネイティブの場合、)相手が本当に質問を理解しているかをちゃんと見極めながら聞くこと。

私の場合、ある発音のせいで聞きたいテーマと違う方向へ話が行ってしまったことが幾度かある。

 

4. 録音は許可をもらった上で必ず行う。ただし、録音してても、手書きでメモをとるのは忘れないで。

メモをしていたら、会話が脱線しても軌道修正がしやすい。

 

5. 質問は簡潔に。ぐだぐだ長い質問はできるだけ避ける。

 

文字起こしについて

もりまさから教えてもらったこのサービスが便利。メールアカウント1個につき、1ファイル(サイズ制限なし)の文字起こしが無料。私はもともと持っていた複数のメールアカウントを駆使して、いくつかをこれでやった。有料のは安いし、インタビューの相手がネイティブであると、クオリティが高いのでおすすめ。

www.temi.com

 

分析について

1. コーディング

コードは主にインタビューガイド(インタビューのときに用意した質問)とインタビューの内容から作る。以下は私のコードの一部。

f:id:satomioya:20180330071049j:plain

実際のコーディング作業は、スクリプトを印刷して手書きでもいいし、NVivoというソフトを使っても良い。

私は文字起こししたスクリプトを全部印刷し、色鉛筆を使いながらコーディングをした。NVivoを最初は使ってたけど、なぜかうまくいかなかったので。

色鉛筆はコーディングを間違っても消せるのが良かったが、色が薄いので普通のカラーペンや蛍光ペンの方がいいかも。

 

2. research questionの答えとなる部分を絞り込む

主にパターンや傾向を見つける。逆に、パターン化すると思いきや、バラバラの答えだったというのも大事。

 

実際論文を書く作業

 

1. それぞれのセクションの目標語数を決めてから始める(あとで適度に調整)。

 

2. イントロでは、読者の気をひくようなメディアに取り上げられた事例や実際の出来事、統計データなどを引用すると良い。

 

3. 終始一貫して、この論文が何をしようとしているのかを明確にして書き、各セクションがバラバラにならないよう、きちんと節目節目で振り返ってつなげる。

 

4. 語数が超えたときは、ほかの言い回しに変えるよりも、無駄がないか必死で探す。

特にinterviewの引用は、本当に必要な部分だけにする。

 

5. 必ずネイティブのプルーフリーディングをしてもらう

 

6. 自分・supervisor以外が読んで、理解できるのかをほかの人に確認してもらう

 

 

むーっちゃ長くなったけど、今思いつくのはこんな感じ。

また思い出したら追加していこうと思います!!

私の学問への愛を語る。

こんにちは。

まだブダペストにおります。

f:id:satomioya:20180327040029j:plain

こないだ、有名なスパに行きました。本記事の内容とは特に関係ありませんが、絵になるので。笑 もうちょっと暖かくなったら絶賛おすすめするのですが...

 

 

では、本題へ。

前回の記事を読んでいただいた方、ありがとうございました。

 

satomioya.hatenablog.com

 

卒論を読みたい!内容が気になる!と言ってくれた方がちらほらいたので、記事にしようと思いました。(というか、複雑なのと要約が下手なのでツイッターで説明できない)

 

 

1. 何を調べてるのか

2. どんな方法で?

3. なぜそれを卒論にしたのか?

 

を書いていこうと思います。

 

 

1. 何を調べてるのか

テーマは、「イスラム教と社会起業の関係性」

キーワードは、宗教・社会起業家(精神)・イスラム教・(少数派民族)・(移民)

タイトルは、"Islam and Social Enterprise: Impact of Religious Values in Contemporary UK"(イスラム社会的企業:現代イギリスにおける宗教的価値観の影響)

 

まずは、社会起業・社会起業家社会起業家精神とはなんぞやという説明が必要だと思うので、バックグラウンド含め、それを説明します。知ってる人はだーーーってとばしてください。

 

一般的に社会で人々の暮らしを支えているのって、

  • 公共(政府)
  • 市場(売り買いするもの全て)
  • 家族/親戚
  • 市民社会(チャリティ・宗教団体・NGO・圧力団体など)

の4つだと思うんです。

家族・親戚に頼ると、病気になったり亡くなったりしたときに困るし、

市場に頼ると、自分が障がいや病気を持っていてお金が稼げない場合・市場が不景気になってお金がもらえない場合(失業)に困ります。

そのために政府が社会福祉社会保障という形で、税金を徴収して、医療の一部もしくはほぼ全てを負担したり、失業手当や年金を出したり、などなどします。

でも、政府は税金をもとに社会福祉社会保障を提供しています。そして、全国民のことを考えなければなりません。もちろん地域や人々の間にある格差の問題(貧困など)、当事者だけでは解決せざるを得ない問題(環境問題など)に全く気づいていないわけではなく、社会福祉社会保障格差是正を図りますが、見落とすこと・もしくはわかっていても行動に移すのが遅いことがあります。

そこで、市民社会が(主に無償の労働力や資源提供を利用し)、政府より小規模の範囲で、人々にモノやサービスを提供したり、政府に声を届ける活動を行ったりします。

しかし、こうした市民社会の活動は、ボランティアや寄付のおかげで成り立つことが多く、持続性が保ちづらいと考えられています。ボランティアは、無償労働で「Solidarity(連帯責任)」という考え方に頼ったものなので、いつやめられても文句は言えません。寄付も定期的に同じ額が入るとは限りません。ボランティアがいないこと・寄付がないことだってありえます。

 

そのような欠点から、社会の問題を持続的な方法で解決できる形の一つとして生み出されたのが、「Social enterprise (社会的企業)」です。

社会的な問題を解決するための企業で、経済的活動(売り買い)を通して、社会的な価値を生み出します。一般的な定義では、経済的活動によって得た利益を、事業に再投資し、株式による利益分配はしません。

社会的企業を起こす人を「Social entrepreneur(社会起業家)」と呼びます。

社会起業にまつわることを、普通の起業(entrepreneurship)と区別して、social entrepreneurshipと言います。

 

社会的起業の一例として、Big Issueビッグイシュー)を取り上げたいと思います。

これは、ホームレスの方に自社の雑誌を路上で売ってもらうというビジネスです。

最初は、1人10冊を無料でホームレスの方に提供し、1冊350円で売るので、全部売ると、ホームレスの方にとって3500円の収入になります。それを元手に1冊170円で仕入れて、350円で売り、180円の収入を得てもらう、という形です。

ここでは、ホームレス問題に取り組んでいます。ホームレスの方にお金や物資を渡すのではなく、雇用の機会を与えています。フードバンクや炊き出しなどで、物資を与えるだけでは、その日生き延びるだけで次につながりません。お金を直接渡しても、それが滞りなく続く保障はありません。しかし、雇用から収入を得ることによって、自らの手で物資を購入することができます。雑誌の仕入れ販売をしたことから、職業経験が得られ、次のチャンスにつながる可能性もあります。

また、雑誌も普通の雑誌とは違い、中身は様々で、社会問題について書かれてあったり、芸術について取り上げられていたり、もっと大きいスケールで言えば「人生で役に立つこと」「暮らしをゆたかにすること」とも言えます。

そして、ホームレスの方が雑誌を売ることで、道行く人々がホームレスの方と話す機会を得られ、ホームレスに対する見方を少しずつ変えていくこともビッグイシューの持つ社会的価値の一つと言えるでしょう。

参考:BIGISSUE日本版

 

ほかにも、フェアトレードを推進するビジネス、環境に優しい製品を作るビジネス、障がい者を雇ったビジネスなど、たくさんの事業があります。

 

普通のビジネスでも、フェアトレード製品・環境に優しい製品を作って売ることはできますし、実際フェアトレード製品を販売している小売業はありますよね。日本だと、一定の割合以上障がい者を雇うことは各企業における義務でもあります。

しかし、普通のビジネスと違うのが、株式分配を行わないこと、多くの場合は小規模のマイクロビジネスであること、そしてファイナンシャルモデルが以下の三形態であること

  • not-for-profit (寄付や補助金で回す)
  • hybrid(経済活動と寄付/補助金の両方で事業を回す)
  • social business(経済活動のみで事業を回す)

一つ目は、あまり既存のチャリティと変わらないのですが、social enterpriseの初期段階によくある形です。製品やサービスのもととなる物資や人を手にいれるために、最初に寄付や補助金をもらい、利益を得るまでそれでまかなうという形です。

日本のNPO法人は、social enterpriseの定義に当てはまるものがあります。

Non-Profit-Organisationというのは厳密には、利益を株式で再分配しないということであって、利益を出していないということではないのです。

(もちろん、利益を出さず、チャリティ団体のように寄付のみで活動を行っているところもあります。)

 

さて、社会的起業の説明が長くなりましたが、要するに、

  • 経済的活動を通して、社会的価値を生み出す事業を起こすこと。
  • 普通、利益は株式分配せず、事業に再投資。
  • マイクロビジネスであることが多い。
  • 寄付や助成金の力を借りることもある。

 

さて、その社会起業が宗教と、イスラムと何の関係があるねん?!!

それが私のリサーチのお題...というか、問いです。笑

 

私は、イスラム教がイギリスのムスリム社会起業家にどう影響を与えているのか調べています。究極、答えが「影響は全くない」でも構わないのです。

何を具体的に見ているかというと

 

では、次は調査方法について!

 

2. どんな方法で?

 

インタビューです。

だいたい30分から1時間ぐらい。

ムスリム社会起業家と、非ムスリム社会起業家に取材しました。

起業した人たちだけでなく、従業員の方にも取材しました。

4企業(ムスリム: 2, 非ムスリム: 2)で、9人です。

ムスリムと比べることで、ムスリムの特徴をあぶり出します。

 

3. なぜそれを卒論にしたのか?

学術的な理由と個人的な理由があげられます。

 

<学術的な理由>

端的に言うと、イスラムと社会起業の関係性について、今まであまり調べられてなかったから。詳しくは以下になります。めんどくさい場合は、個人的な理由までとばしてください。

 

もともと、資本主義つまりビジネスの始まりはある宗教だと、とある学者から言われておりました。

その宗教は、キリスト教プロテスタントです。

で、学者とは、マックス・ウェーバーというドイツ人の社会学者・哲学者・政治経済学者です。

彼は、「プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神」という本で、プロテスタント、特にカルバニズム(カルバン派)の教えが資本主義の考え方につながったといいます。説明すると長くなるのですが、神に救われるという確信を持つために労働に励み、合理性を徹底し、かつカトリックと違って禁欲を重視していたため、得た利益と折り合いをつけるため、資本として再投資した、という観点でプロテスタントが資本主義につながったと言います。ウェーバーは、実際当時の資本家たちにプロテスタントが多かったと言います。すごく端折って説明したので気になる方はググってください。

ウェーバーは、他の宗教と資本主義・ビジネスとの関係性を明らかにするため、中国の儒教道教・インドのヒンドゥー教と仏教・ユダヤ教について調べており、イスラム教の調査を完了せず、他界しました。

Max Weber - Wikipedia

その後、多くの国に資本主義が普及し、ウェーバーの説が通用しないケースも現れました。そこで、今の学者は、宗教が現代の資本主義やビジネスにどう影響するのかということを調べています。特にイギリスやヨーロッパでは、キリスト教を信じる人が少なくなり、宗教そのものを信じる割合も減ってきていると言われています。そんな中でも、どれぐらい影響があるのかなど、調べている人がいます。

たとえば、宗教の考え方が、どう起業すること自体につながったのか、宗教の倫理が商品やサービスにどう影響しているか、考え方や経営方針にどう影響しているか...など。

しかし、調査対象が、普通のビジネスの起業家であることが多く、社会起業家が含まれていない文献が多いのが現状。

社会起業家が含まれている数少ないリサーチの一つで、Roundy et al. (forthcoming)が、アメリカの社会起業家50人にインタビューを行い、結果から「社会起業家の共通のモチベーションは、仕事と宗教をつなげたいという熱望からくる」と示しました。

また、Aziz and Mohammad (2015)は、「イスラム教とソーシャルビジネスは、親和性があり、イスラム教の教えに忠実でありながら、ソーシャルビジネスを実行することができる。」と言っています。

学術論文ではありませんが、ガーディアン紙で、イスラム教とソーシャルビジネスのつながりについて、さまざまな観点から、ムスリムの方がコメントしています。

www.theguardian.com

しかし、これら以外に宗教と社会起業家イスラム教と社会的起業の関係をリサーチしたものはなく、特にイギリスのムスリムに焦点を当てた研究はありません。

 ですから、私はそのギャップを埋めるために、イスラムと社会起業@UKのテーマにした卒論にしようと思いました。

 

次は、個人的な理由です。

 

<個人的な理由>

もともと、卒論でソーシャルビジネスについて何か書こうと思いました。

というのも、Enactusというソーシャルビジネスの学生団体に入っていて、ソーシャルビジネスという考え方が大好きになったからです。

そこで、ソーシャルビジネスについてググってたら、さっきのガーディアンの記事イスラム教とソーシャルビジネスの関係について書かれたのを見つけたので、これだと思い、調べ始めました。

 

なんで「イスラム教」で「これだ」と思ったのか。

もともと、宗教というものに小さい頃から関心を抱いていた気がします。

小中学生のころに近所の図書館に行き、旧約聖書新約聖書の簡易版を借りて読んでいました。おそらくこのころは、単にストーリーが面白かったのだと思います。

母親と叔母はキリスト教系の学校に通っていたのですが、同居している父方の祖父母は「宗教」と聞くと、新興宗教やカルトのせいか、悪いもののように話すことが多かったと思います。家には仏壇があり、月に一回お坊さんが来るのに。不思議でした。

私自身は、よくわかりません。公立の学校に通っていたので、宗教教育は受けていませんし、両親も特定の宗教に属していないと思います。神道や仏教の影響で、神様・仏様がいると思っていたときもあれば、神様やそういった類のものは人が作り出した想像のものでしかないと思っている無神論者の自分もいます。(都合がいいとかそういうコメントはなしで)

 

特に自分のスタンスを真剣に考え始めたのは、イスラム教の人と出会ったときでした。

 大学に行く前、IELTSでギリギリの点数をとったものの、英語が壊滅的だったので、1ヶ月間イギリスのリバプールに語学留学をしました。2014年5月から6月にかけてです。

ホームステイ先に、Mくんというサウジアラビアの留学生がいました。彼とは結構仲よかったのですが、彼の友達はアラブ人(中東・北アフリカ)ばかりで、授業のあとはMくんを含むアラブ人と遊んでいました。そのアラブ人はみんなムスリムでした。

そういや、ホストファミリーはフィリピン人のクリスチャンで、Mくんに加えて滞在していたベネズエラ人の留学生のGくんもクリスチャンでした。

たしか、一度MくんとGくんと話した時に「Satomiは何を信じてるんだ」と聞かれたんです。「何って...」答えられませんでした。「神を信じてるのか」と聞かれ、「いや、違う...」と言うと、「なんで?」と聞かれ、さらに困りました。「俺はアッラーを信じているんだ」「俺はGodだ」「Satomiのは何なんだ」まだ答えは出ていません。それから宗教を信じる人って、不思議だ、面白いと思うようになりました。もっと知りたいと思いました。

 

さらにイスラム教に関心を持ったのは、次の出来事がきっかけかと思われます。

Mくんの仲良しのアラブ人(これまたMくんなので、ヨルダンのMくんとしますが)、ヨルダンのMくんは、私に「Satomiはすごい良い子だから、ムスリムになるべきだと思う」と言いました。おそらく、私が真面目で勤勉なところを褒めたつもりなんでしょう。私はルールを守りますし、お酒を飲んで酔っ払うこともしません。でも、なんでムスリム?と思いました。私アラブ人ちゃうし、お父さんもお母さんもイスラム教は信じてへん...当時は不思議でした。「コーランは、英語も日本語もあるから読んでみたら」と言ってくれました。

純粋に、MくんやヨルダンのMくん、ほかのムスリムの友達のことをもっと理解したかったので、ネットでコーランを読み始めました。親には「変な宗教にハマったら困るからやめなさい」と言われましたが。

結局読んでいて、ムスリムになりたいとは思いませんでした。しかも、途中までしか読みませんでした。(日本語でもかなり難しい...ヨルダンのMくん、ごめん)

でも、コーランを読んで、その教えに従う、その教えを解釈し理解する、解釈を自分の生き方やものの見方に応用する...というのが、私の人生にはなくて面白く、コーランに書かれていることは、実生活に即するものが結構多いので、その点も面白かったと思います。

日本に一度戻ったあと、インドネシアの学生さんと交流する機会があったのですが、彼らもムスリムの学生がほとんどで、一緒に奈良へ観光に行ったときは、公園でお祈りをしていました。Mくんは一人で自室でやっていたので、このとき初めて見ました。

そして、渡英し大学に入ったあと、いろんなムスリムの人と会いました。インドネシアの学生さんはヒジャーブをかぶっていましたが、私の大の仲良しのコースメイトのムスリムの子はかぶっていません。アルジェリア人のハウスメイトもそうです。たまにかぶったり、かぶらなかったりするムスリムもいます。お酒を飲むムスリムもいます。

イギリスにいると、ヨーロッパでムスリムがどのように見られているのかということをよく考える機会があります。たとえば、隣国フランスでは、ブルカ(顔を覆うスカーフ)を公共の場所で禁じています。

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社会学移民問題の勉強やイスラムフォビアの勉強をしたのですが、ムスリムと地域の文化的習慣をごちゃまぜにした偏見がはびこっていること、9/11以降一部のムスリムを名乗るテロリストによってムスリム全体の誤解を生んでいること、そうした偏見や誤解をもとにしたムスリムがターゲットの人種差別について知りました。

日本でも、ジャーナリストの後藤健二さんがイスラム国の人質となり、殺されてしまったとき、在日ムスリムには攻撃的な態度が向けられたと聞きました。

 

また、最近では、アフリカのムスリムセクシュアルマイノリティであるせいで自国で法的迫害を受ける危険があり、ムスリムをやめ、アメリカに亡命するということもあります。

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すごく長くなりましたが、そんなこんなで気づけば、どの宗教の人よりもムスリムに関心を寄せていました。

そうした好奇心が、卒論のテーマにつながったのだと思います。

 

今日は、ブダペストで、ケバブ屋を横目に見ながら、キリスト教の大聖堂、ユダヤ教シナゴーグに行きました。

今のところ特定の宗教には属さないけど、いろいろもんもんと一人で考えていました。

 

 

気づいたら7100字以上書いてました...

最後まで読んでいただきありがとうございましたm(_ _)m

大変恐縮です。